- 『わが神よ、御前に恥じ入るあまり、わたしは顔を上げることができません。わたしたちの罪悪は積み重なって身の丈を越え、罪科は大きく天にまで達しています。』(エズラ記9・6)
- エズラはアロンの家系に属する祭司で、「イスラエルの神、主がお授けになったモーセの律法に精通した学者であった」(エズラ記7・6)。彼はの地バビロニアに生まれたが、捕囚を解かれたユダヤ人たちをエルサレムに導き帰り、同時代の信仰的愛国者ネヘミヤとともに、律法の再発見による宗教改革運動を通してイスラエルの信仰を復興した人である。神の<恵みの>が彼の上にあり、「心をこめて主の律法を調べ、これを行ない、かつイスラエルのうちに定めとおきてとを教えた」ので、彼は「天の神の律法の学者であるエズラ」(7・17)と呼ばれている。
- 聖書の中の「祭司」や「律法学者」は、福音書に描かれたパリサイ人や大祭司(彼らはほとんどの場合、イエスやその弟子たちに対する悪役となっている)のイメージにより、教会やキリスト者たちの間では歪曲されて受取られている場合が多い。しかし、真の祭司、学者というものは、このエズラのように、また「あなたは神の国から遠くない」と言われたある律法学者のように(マルコ福音書12・28以下)、学べば学ぶほど頭をたれて謙虚になり、人びとと連帯し、ひたすら神の恵みに望みをかけて生きるような人のことであろう。(佐伯晴郎著「聖書の人々」より)
- この絵は、「モーセの十戒」を朗読しているエズラの姿です。エズラ記に続くネヘミヤ記の8章に記されています。
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