(1)男の子と女の子とテント

あなたはこの絵のような男の子や女の子じゃないと思います。戦争中の私たちの町では、こんな服を着た子供はいないでしょう。私は、あなたにこんな服を着てほしいなんて、願っていません。人間の価値は、着ている服では決まりませんからね。

たとえあなたが、こんなかわいい服を着た子供でなくても、この世界にいる人は、みんな神様によって造られたのです。もちろんあなたの両親は、あなたが造られる時、神様に協力しました。神様はこの世界で何か仕事をする時は、ほとんどいつもそこで生きている人々を使って行われます。しかし、あなたに命を与えることができるのは神様だけです。(創世記2章7節を読んでみなさい)神様はあなたを肉体と霊魂に造られました。だから、あなたは今、肉体と霊魂で存在しています。

あなたの肉体は今、大きく変化しています。少々のケガは治ります。手や足の爪はグングン伸びるので、切らなければなりません。子供の歯は抜けます。あなたの肉体は、生まれた時と同じではありません。そして、あなたが大人になった時は、今のあなたとも違っているでしょう。

でも、あなたにかわりはありません。なぜなら、本当のあなたというのは、キャンプの時にテントの中で生活しているキャンパーのように、肉体の中で生活している霊魂だからです。“霊魂”というのは、何かを好きになったり愛する“心”とか、何かを勉強して知ったり考えたりする“精神”とかを合わせたようなものです。いつの日にか、あなたの肉体は、年取ってやつれはてるか、あるいは交通事故にあうかして、死ぬでしょう。すると、あなたの霊魂は、ちょうどキャンパーがテントから出て歩きだすように、肉体から出てこの世界を超えた生活に入って行きます。霊魂は、死にません。本当のあなたは死ぬことはありません。(ヨハネ5章24節を読んでみなさい)あなたには決して終わりはないのです。

（Ｈ．Ａ．ウィルソン著「チョークと子供たち」より）