(10)悪魔

問　:そのとき、教父母はあなたのために何をしましたか。

答　:わたくしにかわって、三つのことを約束しました。

第一は、悪魔とそのわざ、この世の虚栄・貪欲・肉の悪欲を捨てること。　　　　　　(同)

あなたの誓った第一の階段は、「捨てること」です。洗礼式文で言う「捨てること」の意味は、「ついてゆくのを拒否すること」「引きずられるのを拒否すること」です。「放棄すること」ではありません。あなたは、この世に生きている限り『悪魔』や『世』や『肉欲』を放棄することはできません。しかし、それらの奴隷や召使になるのを拒否することはできます。

悪魔は、最初は天国で天使たちの長だったのです。しかし、自分のことを威張って、自由意志で罪を犯しました。そして天国では戦いがありました。その時、大天使ミカエルや良い天使たちが勝ちました。その結果、その悪魔とかサタンとか呼ばれるもの(「サタン」とは「敵」という意味です)と悪い天使たちは天国から永久に追い出されたのです(黙示録１２章７〜９節)。そして、最後の時までこの世にいるのです。

悪魔はこの絵のような怪獣には似ていません。しかし、あなたや私やほかのどんな人よりもずっと強くて賢いのです。そして、悪魔はすべてのクリスチャンを憎んでいます。なぜなら、クリスチャンは悪魔が落っこちた天国に昇って行けるからです。だから、悪魔はいろんな方法で変装して、私たちの心に、目に見えない毒の付いた矢を打ち込みます。ウソをつくこと、嫉妬すること、憎むこと、腹を立てること、いじめること、ひどい言葉を話すこと、高慢に威張ること、いたずらをすること、良くない遊びをすることなどです。そして、私たちの心を神様や良いことに対して、背を向けさせます。悪魔は、いつも私たちを誘惑して、罪を犯させようとします。そして、悪魔の一番賢い計略は、私たちに「悪魔なんていないんだ。」と思わせることです。

しかし、悪魔がどんなに強くても、悪魔は全能者ではありません。悪魔は誘惑できますが、私たちに罪を犯させることはできません。私たちには常に自由意志があるんです。そして、誘惑は罪ではありません。

『あなたの第一の敵は悪魔です。』

そして、あなたは悪魔の奴隷にならず、悪魔に惑わされない、と約束したのです。約束が守れるように毎日祈りましょう(マタイ６章１３節)。

（Ｈ．Ａ．ウィルソン著「チョークと子供たち」より）