(28)アンジェラスの鐘

『主は聖霊によって宿り、おとめマリアから生まれ』

あなたは、毎日十二時に鐘が三つずつ三回、そして最後に九回鳴るのを聞いたことがあるでしょう。これは、アンジェラス(ラテン語で天使・エンジェルのこと)の鐘、と呼ばれるものです。それは、主イエス様がベツレヘムにお生まれになったことを私たちに毎日思い出させるために鳴ります。アンジェラスと呼ばれるのは、天使のガブリエルがそのことを伝えたからです。これは、インカーネーション(言が肉となって私たちの間に宿られたこと)の記念です(ヨハネ1章14節)。

クリスマスの日に、彼は人になりました。しかし、彼は永遠の初めから神様でした。ですから、教会は聖マリアのことを“神の母”と呼びます。マリアは生涯純粋なおとめでした(27)。ですから彼女は、もう一つの称号として“永遠のおとめ”とも呼ばれます。神様は彼女のことを高く評価されるので、私たちは彼女を全ての聖徒たちの中で一番愛し誇りにして“聖母”と呼んでいます。もちろん私たちは彼女を礼拝しません。彼女はそれを私たちに望まないでしょう。なぜなら、彼女は常にもっとも謙遜な方でしたから(ルカ1章38節)。そして、人々はただ神様だけを礼拝するのです。しかし、彼女に対して、私たちのために祈ってくださるようにお願いします。なぜなら、私たちは、彼女の御子が望んでおられるような人間になろうと努力しているからです。私たちの教会には、彼女の像も置いてあります。(トラファルガー広場にはネルソン提督の像もあるんですから、問題ないんじゃないですか?)ですから、正午と朝や夕方、アンジェラスの鏡が聞こえた時は、世界中の多くのクリスチャンが次のように祈ります。

『めてだし、聖寵みちみてるマリア。主、なんじとともにまします。なんじは女の中にて祝せらる。また御胎の御子イエスも祝せられたもう。神の御母聖マリア、罪びとなるわれらのために、今も臨終のときもいのりたまえ。アーメン』

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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