(39)建物の教会と建物ではない教会

『聖なる公会』

使徒信経に『公会』とあるのは、教会と同じ意味です。英語のホーリー・キャソリック・チャーチをそのまま『聖・公・会』と訳して、一つの教団の名前にした時の名残があるんですね。祈祷書の258ぺ一ジから、『教会問答』というのがありますが、以前の祈祷書では『公会問答』と呼んでいました。元の英語をそれにふさわしく訳し直すと『聖なる普遍的な教会』とでもなるんでしょうか。

さて、一言で『教会』と言っても、伝統的に二つの意味があります。『建物の教会』と噂物ではない教会』です。『建物の教会』は、「神様に属する物」とか「神様の家」というふうに表現できるでしょう。これは、台風や火事などで破壊されることもある建造物です。そして、『建物ではない教会』というのは、「神の民の共同体」と言えるでしょう。他の例をあげると、学校という言葉には、勉強を習う教室のある建物という意味があるのと同様に、大勢の男の子や女の子がそこにいることも意味しているでしょう。そんなものです。この建物ではない教会は破壊されることはありません(マタイ16章18節)。

この教会は、神様の王国です(ヨハネ18章36節)。主は王様なのです(36)。そして洗礼を受けた人はみんなその国の国民です。地上のこの教会で、私たちは王国の法律を習います(エフェソ4章11〜12節)。そして、恵みとそれを保つためのサクラメントを受けるのです。しかし、神様の王国は地上だけのものではありません。

この教会の誕生日は『聖霊降臨日』です(38)。この最初の聖霊降臨日には、世界には、クリスチャンはたった百二十人でした。ところが聖霊なる神農が下って来られて、はじめの人間を造って生きた者とされたように(創世記2章7節)、教会を生きた成長する共同体にしてくださいました。するとこの日のうちに、三千人もの人がクリスチャンになりました(これらのことが使徒言行録2章に書かれています)。聖霊なる神様は、これまでと同様、今日も、そしてこれからも教会の命であり光なのです。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

楽しい問答会