(80)手を合わせましょう

ウィルソン神父は、戦争中に停電になって、電話も通じなくなった経験があるそうです。電話局の人が夜遅くまでかかって、糸のように細い電線をつなぎながら修理しているのを感心しながら見ていたそうです。

ところで、あなたの体中のすべての部分には神経が通っています。これも白か灰色の細い糸のようなもので、脳とつながっていて、電話線のようにメッセージを送ります。神経が他よりも密集した部分があります。これらの部分は、より“感じやすい”所ですが、最も感じやすい所の一つは手です。指にはいっぱい神経があります。

あなたの触るものを考えてください。指先から、触ったものの伝言が電話のように神経の組織を通って脳に伝わります。もしあなたがこの勉強のノートを取っているなら、鉛筆や紙やノートを乗せたひざに神経が働いています。私は以前、触っただけで、襟がきれいか汚れているか感じ取ることのできる盲目の人に会ったことがあります。彼は目の神経にダメージを受けて視力を失いました。しかし、彼の触る感覚は敏感です。盲目の彼のために神様がそれを造られたかのように思うほどです。

だから、もしあなたが良く祈りたいなら、この世のものに触って、祈りを妨げられないように、手を合わせ、それを上に向けてください。それが祈りの姿勢です。あるいは十字架かロザリオを持ってください。そうすれば、よりたやすく祈れるようになります。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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