(83)潜水服

暗くて危険な海底で、潜水夫が働いています。波の上でボートに乗っている仲間の男たちと常に接触を保っていなければ彼は仕事ができません。空気はポンプで送られて来ます。電話で仲間に話し、仲間も潜水夫に話します。最後はロープを引いて水面に引き上げられます。そして、電話がこわれた時は、このロープを引っ張って信号を送ります。

信仰者の生活は、この潜水夫とよく似ているとは思いませんか。朝の祈り(電話)、夕の祈り(ロープ)、そして恵み(管を通しての空気)。これらで神様との接触を保つのです。もっとも神様は、潜水夫の仲間たちほどあなたから離れておられませんが。(詩編139編9〜12節)。

朝、あなたが顔を洗い、服を着、髪にブラシをかけ、歯を磨いた後、神様の前にひざまずいて一日を始めましょう。夜は、ベッドに丸くなって寝る前に、朝と同じようにひざまずいて一日を終わりましょう。あなたは若い時にこの習慣をつけましょう。

神様はいつもあなたのそばにおられますから、朝夕のきまった祈りの時と同様に、あなたは昼も夜もどんな時も、神様にお祈りできます。『射祷』という小さな短い祈りをするのです。射祷の意味は『投げつける祈り』です。これは、潜水夫のヘルメットから出る空気の泡のようなものです。時々、ウィルソン神父さんは、会いたくない人を訪問しなければならないことがありました。その時、ドアをノックする前に、心の中でこの射祷をしたそうです。『神様、私と一緒に入ってください。』という風に。また、空襲の時は『神様、私たちを安全に守ってください。』と短く祈ったそうです。あなたも急な誘惑か危険、予期しない困難に出会った時は、心の中で小さなお祈りをしてください。道路を歩いている時や混み合ったバスの中、学校や仕事場で、神様は聴き(思い出してください、答えは三つあったのですが)、答えてくださいます。神様はあなたに必要な特別の恵みを与えてくださるのです。ウィルソン神父は、かってロンドンの病院で、年取った婦人が手術するまでベッドのそばで一夜過ごしたことがあるそうです。彼女の最後の言葉は『ああ神様、私はあなたが私の全生涯中愛していてくださったことを知っていました。今、私を殺さないでください。』ところが彼女は意識が戻らないまま死にました。しかし、彼女が天国で目覚めた時、彼女は最後の射祷を含めてすべての祈りが、価値のあるものだということがわかっただろうと、神父さんは言っていました。そしてあなたもいつの日にか知ることでしょう(詩編55編18節)。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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