(99)試み(テスト)

『わたしたちを誘惑に陥らせず』

『誘惑』が何なのか知ることは大切です。それは『試み』に過ぎません。あなたに次で教える『罪』ではありません(ヤコブ1章12〜14節、創世記22章1節)。たとえば、あなたが試験で算数の問題を解いていたとしましょう。難しい問題です。あなたには正しく答えられません。たまたま横を向くと、友だちの回答用紙の答えが見えました。あなたはそれを写す誘惑にさらされます。良心は“No”と言います。しかし、あなたはそれを写したい。そこにあなたの良心と願望の戦いがあります。これは誘惑です。あなたの意志の強さの試み(テスト)です。

悪魔があなたを試みるのは、あなたに罪を犯させるためです(ルカ22章31節)。しかし、悪魔は全能ではありませんから、あなたは罪を犯さないようにすることはできます。すべての人には自由意志があるから、常に正しいことも間違ったことも選ぶことができるのです。

しかし、時々神様も試みます。もちろんこれはあなたに罪を犯させようと挑戦しているわけではありません。しかし、あなたの“信仰の確かさ”に対する試みです。すべての良いクリスチャンは誘惑を知っています。その誘惑は彼らの信仰を確かなものにし、何人かを天国の聖人にします。霜と雪は種を強くします。鉄は火の中で硬くなります。聖ペトロは試みのあとで(マタイ26章69〜75節)、それまでよりも深い信仰の人になりました。

そして、あなたが経験するすべての試みには、逃れる道があることを忘れないでください。それを聖パウロが書いています。Iコリント1O章13節の言葉が、いちばんよくあなたを助けてくれると思います。読んで覚えておいてください。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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