(101)見張り

過去のことは過去としてあなたは赦しを祈ってきましたし、将来あなたを襲おうとする試みに対してそれを征服する力はあるのですが、あなたは常に危険です。ですから、最後の主の祈りの祈願は『悪からお救いください。』です。

なぜなら、人間は自由意志を間違って使います。神様の公正な世界の中にも、たくさんの悪があります。失業。不公正な給与。悪い住居。残虐な言葉と行為。飢餓。愛のない家庭。しかし、これらのものは、神様から私たちを引き離しません(ローマ8章35節)。ただひとつ、本当にしつこい悪があります。神様から私たちを切り離すことができる、世界の悪のただひとつのものは『罪』です。(マタイ16章26節)。

エリシャには、恐れの心を持ったしもべがいました。ところがエリシャに示されて、そのしもべは世界の良い霊を見ました。その霊は神の民のまわりに常にいました(列王記下6章15〜17節)。しかし、民らのまわりには、この世の生活のあらゆる面に、常に強い悪霊の軍勢もいます(エフェソ6章11〜12節)。悪霊たちはたいへん力が強く、巧妙で、活動的で、極めて賢く、私たちには強すぎて、到底ひとりでは勝てません(Iペトロ5章8節)。おそらくあなたはその正体を見たことがないでしょう。悪霊の目はあなたの、心の内側へ向かっています。ところが彼らの姿は立派でおごそかに見えるかもしれません。彼らは常に小さく隠れて、狂った微笑みをうかべています。そして常にあなたの近くにいて、寝ることもなく、ずっとあなたの警戒がなくなるのを待っています。彼らは確かにいるのです。いないなんて考えるのは馬鹿げたことです。

しかし、神様と良い天使はもっと強いのです(Iコリント1O章13節)。私が前にも言ったでしょう。だから私たちの祈りは『悪からお救いください。』になるのです。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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