(110)虹の端はどこにあるの?

もし、私が「百万円買してくれ。」と頼み、あなたが答えて「いいですよ、喜んで。」(こんなことはないでしょうが)と言うなら、賢明なあなたは同時に私に返済予定の書類を要求するでしょう。私は借用証書を書かなければなりません。たとえば、『私○○司祭は、△△の日までに、合計百万円を貸してくれた××氏に返済することを約束します。』という具合です。これは私の誓約となり、保証する契約になります。サクラメントも同様です。神様の神聖な恵みの約束です。事実、それが“サクラメント”という言葉の実際の意味です。『神聖な保証、請け負い、契約、誓約』などの言葉で表現できます。

問 :このサクラメントという言葉は、何を意味していますか。
答 :私たちに与えられる内側の霊的恵みの、外側の目に見えるしるしです。またどこででも私たちが受けることのできる方法であり、神様が私たちに保証された誓約です。
(同)

それは、単なる恵みのしるしや方法だけでなく、私たちが目に見えない恵みを確かに受けた、と私たちを安心させる、神様の約束(誓約)です。

世界の洪水のあと、神様は、こんなことは二度としない、と約束されました。そして、虹を造って私たちを安心させる誓約とされました。だから、私たちは雨のあとで太陽が輝く時、その虹を見ます(創世記9章13〜14節)。こんな契約のしるしは、出エジプト記にも出てきます。イスラエル民族が約束の地への長い旅をする時、神様は彼らと共に行かれました。夜は火の柱、昼は雲の柱が、神様の存在の誓約であり証拠でした(出エジプト記13章21〜22節)。あなたが、質屋に行くと、預けた時計のかわりに、店員はあなたに金だけでなく、誓約書をくれます。あなたが、貸付金と利子を返した時は、あなたの時計を返す、という約束です。

これは、それぞれのサクラメントにもあります。それぞれには恵みのしるし、与える方法、そして神様は『私は、このサクラメントの中で、そしてこのサクラメントによって、私があなたに与えてきたし、今もあなたが必要としている私の恵みについての言葉と誓約を与えます。』と言われます。神様の言葉は本当にすばらしいと思いませんか。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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