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(136)玉と十字架
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- 祈祷書のほとんど最後のところに『聖職按手式』の三つの式があります。どうしてそこにあるのか、そのひとつの理由は、クリスチャンが、彼らの牧師はどのようにして誕生するのかを知るためです。もし聖職按手式に行く機会があったら、行ってみてください。そうしたら、行って良かったと思うでしょうし、一生忘れないと思います。
- 教会の奉仕職の第一の位は執事です。言葉の意味は“仕える者”です。彼らの特別な仕事は、最初の執事たちがそうであったように(使徒6章1〜5節)、司祭たちを助けることです。彼らは祭壇で司式者を補佐し、説教し、遣わされた教会の病気や貧しい人の世話をすること、そして司祭が不在の時、洗礼を授けることなどです。礼拝の中で、彼らを見分けるのは簡単です。彼らは色のついたストールを左肩にだけ掛けています。しかし、彼らはただの初心者ではありません。(見習のような印象を与えますが、すべての人は仕事において、初心者にならなければなりません。)彼らも英語で“ Reverend ”(師:尊敬すべき者)と呼ばれています。
- 一年もすると執事は司祭に按手されるでしょう。すると、その人は(堅信式と聖職按手式を除いて、)サクラメントを執行する力が与えられます。祝福すること、説教、そして神の名によって任されている神の民を指導することなどです。しかし、彼の最も大切な仕事は、パンとぶどう酒を聖別してキリストの体と血にすること、そしてこの聖餐を神の民に与え、彼らの献げ物を聖なる犠牲として神様に献げることです。このことについては、第6章で詳しく説明します。彼らも、英語で““ Reverend ”(師:尊敬すべき者)と呼ばれています。
- 何人かの司祭は、主教になります。彼らは司祭のすべての力を持っています。それに加えて、堅信式と同様に聖職按手式によって他者にこの力を与える権威を持っています。そして、彼らはそれぞれ教区、そして司祭たちや教区を構成している各教会を指導します。彼らはそれぞれ主教座聖堂を持ち、“ Right Reverend ”と呼ばれます。
- 一般にこれら三つの按手式は主教座聖堂で行われます。ロンドン教区の場合は、セントポール大聖堂の玉と十字架のついたドームの下で聖職が誕生します。
- (H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)
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