(140)混乱状態への油

あなたが牧師館の正面ドアのベルを鳴らして私を呼び出し、あなたの家族が病気であることを知らせます。家族が受聖餐者である場合、私は聖油と保存されている聖別したパンを出します。保存の主な目的は、病気か、死に臨んだ人に聖餐を与えるためです。私たちはあなたの家族の所へ行きます。私は、この世界を出て、死を越えた教会に行こうとしている人のために(42)、地上の教会に用意されたサクラメントである神様の薬 ―― 聖油を病人に与えます。

サクラメントの外側の部分は、病人に油を塗ることです。油は主教によって聖別されているオリーブ油です。(オリーブは緑の卵形の実で、温かい国で育ちます。)私は親指をそれにひたし、病人の目、耳、鼻の孔、唇、手、足に十字を書き、『父と子と聖霊のみ名によって、あなたに聖油を塗ります。』と、言います。

英国の祈祷書では、もっと長いお祈りです。それを紹介すると『この油により、また神の最もやさしい憐れみにより、主があなたの見たこと、嗅いだこと、語ったこと、触ったこと、歩いたことによって関わった全ての罪を赦してくださいますように。』

サクラメントの内側の部分は、神様の罪の赦しです。たとえ病人が懺悔できなくても、あるいは意識がなくても、神様の助けと恵みは痛みと病気に耐えさせます。もし神様のみ心なら病人は良くなります。神様の力は、もし病人が死にそうだったら、良き死を与え、その人は永久に救われます。だからあなたは病気の時、医者を呼ぶのと同様に、司祭を呼ぶのがいかに重要かわかるでしょう。あなたの全生涯で、この病人(お母さん)は、あなたを愛し、あなたのために働きました。あなたは彼女を愛しています。急いで牧師館へ行き、ベルを鳴らすのが、彼女を天国へ送ることの助けとなります。私たちのできる愛の行為でそれ以上のものはありません。

彼女に聖油を施したのち、もし意識があれば私は彼女に聖餐を与えます。この地上での彼女の最後の晩餐、天国への旅のための神聖な食物(列王記上19章8節)です。天国ではもはやサクラメントの必要はありません。そこには、覆われることも隠れることもない神様が、永遠に存在しておられるからです。

(H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)

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