|
(参考資料)公会問答
|
- 公会問答(1959年版 日本聖公会祈祷書より)
堅信式を受ける前に学ぶ。
- 1問
- あなたの教名は何といいますか
- 答
- ―― といいます
- 2問
- だれがその名をつけましたか
- 答
- 洗礼を受けて、キリストの肢・神の子・天国の世継ぎとされたとき、教父母がつけました
- 3問
- そのとき、教父母はあなたのために何をしましたか
- 答
- わたくしにかわって、三つのことを約束しました
第一は、悪魔とそのわざ、この世の虚栄・貧欲・肉の悪欲を捨てること
第二は、使徒信経の信仰箇条を信じること
第三は、生涯、神の御心に従い、その戒めを守ること
- 4問
- あなたはこの約束を守る責任がありますか
- 答
- その責任を感じ神の助けによってこの約束を守ります。また天の父なる神が救い主イエス=キリストによって、わたくしをこの救いの道に召したもうたことを心から感謝し、神の恵みによって、生涯この道を離れないように祈ります
- 5問
- 使徒信経を唱えなさい
- 答
- 我は天地の造り主・全能の父なる神を信ず
我はそのひとり子・我らの主イエス=キリストを信ず。主は聖霊によりてやどりおとめマリヤより生まれ、ポンテオ=ピラトのとき苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、よみにくだり、三日目に死にし者のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父なる神の右に座したまえり。かしこよりきたりて生ける人と死ねる人をさばきたまわん
我は聖霊を信ず。また聖公会、聖徒の交わり、罪の赦し、からだのよみがえり、限りなき命を信ず アーメン
- 6問
- 使徒信経の主意は何ですか
- 答
- 第一はわたくしと万物とを造られた父なる神を信じること
第二はわたくしと万民とを贖われた子なる神を信じること
第三はわたくしとすべて神に選ばれた民とをきよめられる聖霊なる神を信じること
- 7問
- あなたが守ることを、教父母が代わって約束した神の戒めは、いくつありますか
- 答
- 十あります
- 8問
- それを言いなさい
- 答
- それは出エジプト記第二十章にしるされた神の言葉です
我はなんじの神・主なり。なんじをエジプトの地、その奴隷たる家より導きいだしたる者なり
第一なんじ我のほかなにものをも神とするなかれ
第二なんじ、おのれのために、上は天にあるもの、下は地にあるもの、また地の下の水の中にあるものの形に似せて偶像を作り、これにひれ伏し仕うるなかれ
第三なんじの神・主の名を、みだりに言うなかれ
第四なんじ安息日を聖として忘るるなかれ
第五なんじ父と母とを敬え
第六なんじ殺すなかれ
第七なんじ姦淫するなかれ
第八なんじ盗むなかれ
第九なんじ偽りの証しを立つるなかれ
第十なんじ、むさぼるなかれ
- 9問
- この十戒は何を教えていますか
- 答
- 十戒は第一に神に対する義務、第二に隣人に対する義務を教えています
- 10問
- 神に対する義務とは何ですか
- 答
- 神に対する義務とは、神を信じ、神をおそれ、心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、カを尽くして神を愛し、また礼拝・感謝・祈祷をささげ、心から信頼し、御名と御言葉を敬い、生涯、忠実に神に仕えることです
- 11問
- 隣人に対する義務とは何ですか
- 答
- 隣人に対する義務とは、自分を愛するように人を愛し、人にしてもらいたいと思うことは、人にもしてあげ、父母を愛し、敬い、助け、権威を持つ者に従い、教師・聖職・主人・目上の人を敬い、言葉や行いで人を害せず、人との交わりに真実をつくし、人を恨むこと、憎むこと、盗むこと、悪口を言うこと、うそを言うことをせず、節制・貞操を守り、人のものをほしがらず、職業をはげんで自活し神の定めたもう身分に応じて、自分の義務を尽くすことです
- 12問
- あなたは自分のカでこれらの事をすることはできません。神の特別な恵みを受けて、始めてこれらの戒めを守り、神に仕えることができます。それゆえいつも熱心に神の恵みを祈らねばなりません。主の祈りを唱えなさい
- 答
- 天にまします我らの父よ、願わくは御名を聖となさしめたまえ。御国をきたらしめたまえ。御心を天におけるごとく、地にも行なわしめたまえ。我らの日用の糧を今日も与えたまえ。我らに罪を犯すものを我ら赦すごとく、我らの罪をも赦したまえ。我らを試みにあわせず、悪より救いいだしたまえ アーメン
- 13問
- この祈りによって、あなたは神に何を願いますか
- 答
- すべての良いものを与えられる天の父なる神に祈り、わたくしとすべての人が恵みによって、正しく神を拝み、神に仕え、神に従うことができるように願います
また魂とからだに必要なものを求め、神がわたくしたちの罪をゆるし、魂とからだを守って、すべての危難をふせぎ、罪と悪と悪魔を退け、限りなき死からのがれさせていただくように願います。そして神がわたくしたちを愛し、主イエス=キリストによってこれらのことをなさると信じますから、アーメン(どうぞ、そのようにして下さい)と言います
- 14問
- キリストが公会のために建てられた聖奠は、いくつありますか
- 答
- 救いのためにだれにも必要な聖奠はただ二つです。すなわち洗礼と聖餐です
- 15問
- 聖奠とは何ですか
- 答
- 聖奠とは、わたくしたちが、目に見える外のしるしによって与えられる内なる霊の恵みにあずかる方法、またその保証として、キリストが自ら定められたものです
- 16問
- 一つの聖奠を、いくつの部分に分けることができますか
- 答
- 目に見える外のしるしと、内なる霊の恵みの二つです
- 17問
- 洗礼の、目に見える外のしるしは何ですか
- 答
- 水です。水で、父と子と聖霊の御名によって洗礼を授けられます
- 18問
- 洗礼の、内なる霊の恵みは何ですか
- 答
- 罪に死に、義に新しく生まれることです。わたくしたちはもともと罪のうちに生まれ、怒りの子でしたが、洗礼によって恵みの子とされました
- 19問
- 洗礼を受ける人に必要なことは何ですか
- 答
- 悔い改めと信仰です。悔い改めて罪を捨て、信仰をもって、神がこの聖奠によりその人に約束されたことをかたく信じることです
- 20問
- これらのことができない幼な子に、なぜ洗礼を施しますか
- 答
- 教父母が幼な子にかわって、この二つのことを約束するからです。幼な子は成長してから、この約束を守らなければなりません
- 21問
- 主は何のために、聖餐の聖奠を定められましたか
- 答
- キリストの死のいけにえと、それによって受ける恵みを常に記念させるためです
- 22問
- 聖餐の、外のしるしは何ですか
- 答
- パンとぶどう酒です。主はこれを受けることを命じられました
- 23問
- このしるしの示すものは何ですか
- 答
- キリストのからだと血です。信徒は聖餐で真実にこれを受けます
- 24問
- これにあずかることによって、わたくしたちはどんな恵みを受けますか
- 答
- わたしたちのからだがパンとぶどう酒によって強められるように、わたくしたちの魂は、キリストのからだと血によって強められます
- 25問
- 聖餐にあずかるには、どんな準備が必要ですか
- 答
- 自分を省みて、次にようにただすことです
過去の罪をまことに悔やみ、行ないを改める決心をしているかどうか
キリストの死を感謝し、キリストによって示された神の愛を真実に信じているかどうか。そしてすべての人を愛しているかどうか
聖職は主日に少年少女を集め、聖書を引いて、ねんごろにこの問答を教え、父母、教父母はつとめて少年少女をこれに出席させなければならない。彼らが相当な年齢に達し、この問答をよく学んだのち堅信式を受けさせなければならない。
*本文中で使った問いと答えは、1662年版の英国聖公会祈祷書からの翻訳だから多少表現が違いますが、ほぼ同じ内容なので、上記のものを参考に載せました。
- (H.A.ウィルソン著「チョークと子供たち」より)
|