このテキストで聖公会の信仰、歴史、実践を学びましょう。
読者の皆様へ

ここに掲載いたします「アングリカン」は、日本聖公会九州教区の教育部が2000年1月から2001年12月まで、通信教育で使ったテキストを多少修正したものです。

元々のテキストは、オーストラリアやニュージーランドの聖公会で使われている、グレアム・A・ブレイディ司祭の『ANGLICAN』(聖公会・写真)というパンフレット集です。初版は1980年で、その後数版改訂されて、これは、私が著者から1996年版を受け取り、翻訳したもので、全部で25冊ありました。

内容の項目を紹介すると、
第1章 信仰
第2章 旧約における神の啓示
第3章 新約における神の啓示
第4章 教会における神の啓示
第5章 自分自身で考えよう
第6章 父なる神
第7章 子なる神
第8章 子なる神(受肉)
第9章 子なる神(贖罪)
第10章 子なる神(復活)
第11章 聖霊なる神
第12章 教会
第13章 英国における教会
第14章 英国の宗教改革
第15章 オーストラリアの聖公会
第16章 奉仕職
第17章 教会の書物としての聖書
第18章 サクラメント(洗礼)
第19章 サクラメント(聖餐)
第20章 聖奠的諸式
第21章 礼拝
第22章 祈り
第23章 クリスチャンの行動
第24章 スチュワードシップ
第25章 次に何が起こるの?

 しかし、15は直接関係ないので省略します。

(「アングリカン」という言葉)
著者の序文の冒頭、「アングリカン(聖公会員)になるということは、独特の伝統…英語を話す人々の伝統を引き継いだクリスチャンになるということです。」という表現に驚かれる方もあるかと思います。普段英語を使うことのない私たち日本人には、このような説明は意外に受け取れるのですが、先日購入しました「ワードパワー英英和辞典」(Z会)では「英国国教会の、または英語を話すほかの国にある関連する教会の会員」という説明がありました。また、私は10数年前、エルサレムで現代ヘブライ語の研修を受けました時、ヘブライ語では英国のことを「アングリア」と言い、英語のことを「アングリート」とヘブライ語で言うことを知らされました。どうも最初は古代ローマあたりで使われていたラテン語で、ドイツ北西部から4世紀末にイギリスに民族大移動で移り住んだアングル族を意味する言葉のようです。最初住んでいた土地が釣針(アングル)のような形をしていたので、ローマ人がそう呼んだのが語源だと辞書にありました。要するに「聖公会」という言葉は、英語を話す人たちにとっては、「英国」や「英語」などと同じ、アングロ・サクソン民族を連想する言葉なのでしょう。はたして、このような伝統が現代の日本聖公会にとって役に立つものか、あるいは本来のキリスト教の教えにとっては邪魔なのか、私自身どちらとも言えない心境です。しかし、少なくとも英国の伝統を受けている事実だけは否定しようがありません。どうぞ、聖公会のルーツを学び、それぞれの信仰生活の参考にしていただきたいと思います。

(目的について)
著者が、翻訳許諾の手紙の中で、私にこのパンフレット集を作る目的を簡単に書いてくれた部分がありますので引用します。
「私の元々の目的は、伝統的な聖公会の全体像から、キリスト教の信仰を簡単に自分なりに弁護して説明することです。」

            2002年4月30日 司祭フランシス小林史明

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